涼花堂 ~お針子な毎日~
ドールの浴衣や和風アクセサリなど、色々作ってます。 日々の製作日記をつらつらと。
[PR]
×
[PR]上記の広告は3ヶ月以上新規記事投稿のないブログに表示されています。新しい記事を書く事で広告が消えます。
一番初めは一の宮
ちょっと思いついたので、書いてみた。
先日、友人たちと話していた時に縄跳びの数え歌の話になった。「郵便やさん、お入んなさい」というあれです。あれ、なかなか入るタイミングが掴めなくてさ、というあるある話をしていて。その時、小学生の頃によく歌っていた数え歌の話をしました。
一番初めはいちのみや
二またにっこうしゅうぜんじ
長いので続きはが気になる人は右下をクリック!
一番初めはいちのみや
二またにっこうしゅうぜんじ
三またさくらのしょうごじょう
四はまたよねんのぜんこうじ
五つはいずものおおやしろ
六つむらむらてんじさま
七つなごやのしょうごじょう
八つやはたのはちまんぐう
九つこどものおおやしろ
何で全部ひらがなで書いてるかというと、たぶん本来は全てそれなりの地域のちゃんとしたお宮の名前なんでしょうけど、子供の口伝なのでうろ覚えだったり適当に当てはめたりして、色々変わってたみたいなんですよね。「しょうごじょう」なんて2回も出てくるのにそんな名前のお宮はないし。「こどものおおやしろ」って何だ。それはそれで一つ物語になりそうだ。
で、問題は十番目。これが2通りあって、ロングヴァージョンとショートヴァージョンとありましてね。こちらショートバージョン。
十でとうとう死んじゃった
死んだら葬式あげましょね
線香も一本あげましょね
死んだら悲しいけれど
明日は天国地獄かな
……割りと身も蓋もない内容ですが。当時の教師がたまたま通りかかりになんちゅう歌を歌っとんのじゃと驚きながら、「けちやのぅ、線香一本しかくれんのか」と零したのを、未だに覚えてます。
で、ロングヴァージョンがこちら。
十でとうとうしんがんじ
あれほどしんがんかけたのに
ナミコの病はよくならず
タケオ戦争向こう時
ナミコは白いハンカチを
打ち振りながらねぇあなた
はやく帰ってちょうだいと
ぐうぐうぐうぐう行く汽車は
ナミコとタケオの生き別れ
小学生の頃は、この長さを全部飛べることと、このフレーズを全部歌えることが一つのステータスになってました。
で、すごく印象に残ったのが、たまたまこの歌を母親の前で歌ったところ、「あんた、ナミコとタケオなんてよく知ってるねぇ」と言われたことでした。子供たちの間で歌ってただけなので当然何が元ネタなのかと言うことも知らず、どういうことかと聞くと「不如帰」というお話に出て来た二人だと。徳富蘆花の小説だということは、後々知ったわけですが。
で、ここまでが前振り(長っ!)。 何でこのことを急に書こうという気になったのかというと、ある、実に単純なことに気が付いて、そのことに目から鱗だったから。
子供の頃は、どういうわけかこの一から九までと十の歌は、まったく別のものだと思い込んでいました。ショートヴァージョンの存在があったせいもあるかもしれないけど、九まではただの数字とお宮の語呂合わせで、十でいきなり物語めくことが、あまりにも不似合に感じたせいかもしれません。
でも、先日友人とこの話題で話した後に改めてネットで調べ、色々な替え歌があることを知り、あ、と一つのことに気付いたのです。
これ、一から十まででちゃんと一つの歌なんだ。
こんなにたくさんのお宮やお寺を回ってお参りしたのに、あの子の病は快くならないって、そういう意味だったんだ。
実に単純だし、何を当たり前のことを、って感じなんですが、何十年も経って初めて気付いたことに、ちょっとだけ興奮したという、そういうお話。ちゃんちゃん。
PR
COMMENT